ダイソンの羽根なし扇風機こと「ホットアンドクール」は1台で空気清浄+涼風と温風が出せるオールシーズン活躍する家電です。
しかし、電気代がとんでもなく高くなっている方を見かけます。
口コミの通り、使い方次第でホットアンドクールの電気代は高額になります。
この記事ではホットアンドクールの全機能の消費電力を実際に測定しました。
何をすると電気代が高くなるのかを知り、電気代節約の参考にされてください。
ホットアンドクールの全機能
ホットアンドクールには以下の機能があります。
また、コンセントを差しているだけの待機状態でも電力を使用します。
すべての機能をリモコンやスマホアプリから操作できます。
空気清浄機能は必ず作動し、涼風か温風のどちらかを必ず送風しなければなりません。
涼風
涼風を使用する主な状況
- 扇風機として使用する時
- 空気清浄のみを目的としている時
扇風機として使用する時や、空気清浄のみを目的とした場合は涼風を使用します。
温風
温風を使用するのは部屋を暖めたい時です。
ホットアンドクールはファンヒーターなので、暖かい風で室内の風を循環させながら部屋全体を温め、部屋全体が均一に暖かくなります。
ただし、熱を出すために多くの電力を使用し、電気代は高くなりやすいです。
ホットアンドクールのファンヒーター機能についてはこちらの記事で検証を行っています。
首振り機能
多方面に風を当てたい時に首振り機能を使用します。
空気清浄を目的としたAUTOモードでも首振り機能のON/OFFはユーザーが操作します。
風量
風量調整は、できるだけ早く体感温度を変えたい時に使用します。
涼風は風量を上げると涼しさが増し、温風は暖かく感じるのが早くなります。
AUTOモードでは風量が自動で調整されるので、自分で風量を調整する必要はありません。
ディフューズドモード(背面からの送風)
風に直接当たりたくない時は、背面側から送風するディフューズドモードが便利です。
私はこのモードを使うことはほとんどありません。
ナイトモードはディスプレイの消灯
ナイトモードの特徴
- 本体ディスプレイの消灯
- AUTOモードの場合、風量が4以下に限定される
ナイトモードは寝る時に邪魔にならないようにディスプレイの明るさと風の音を抑えます。
待機状態でも電力は使用
- リモコンやアプリからの操作を受け付けるため
- センサーで空気質を監視するため。
コンセントに差すだけでも電気代が掛かります。
電気代が掛かる代わりに常に空気を監視し、外出先から電源を入れて部屋を暖めたりすることができます。
ホットアンドクールの電気代を実測
各機能の消費電力を測定し、電気代を算出しました。
計測する機能
測定を行った環境は以下の通りです。
- 部屋の大きさは6畳(公式推奨の広さ)
- 室温は24℃
- 電気代の単価は23円として計算
- 計測はワットモニターを使用
- 電気代の計算は消費電力(kW)×1時間×電気代の単価
使用するのは2021年発売の「Dyson Purifier Hot+Cool」です。
最新機種との差は空気清浄機能で電気代の差はありません。
ダイソン公式サイトでは温風の最大風量で1時間当たりの電気代は約34.7円です。
消費電力を載せるので、正確な電気代を知りたい方は自分が契約している単価で計算されてください。
涼風での電気代は安い
涼風の状態で風量1~10の時の消費電力を計測しました。
風量 | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
1 | 2.6 | 0.0598 | 0.0598 |
2 | 2.8 | 0.0644 | 0.0046 |
3 | 3.4 | 0.0782 | 0.0138 |
4 | 4.1 | 0.0943 | 0.0161 |
5 | 5.3 | 0.1219 | 0.0276 |
6 | 6.9 | 0.1587 | 0.0368 |
7 | 9.0 | 0.207 | 0.0483 |
8 | 11.7 | 0.2691 | 0.0621 |
9 | 15.8 | 0.3634 | 0.0943 |
10 | 21.2 | 0.4876 | 0.1242 |
最大風量である10でも1時間当たり0.5円以下です。
24時間使用して11.7円。
30日で計算して351円です。
実際には最大風量で使用し続けることは無いので、1ヵ月に300円も掛かりません。
風量による電気代の変化については、風量が低い1→2よりも9→10の方が高くなっています。
風量が大きいほど風量を1つ上げるだけで電気代が変化する。
最大風量でも月に350円で、涼風の電気代は安い。
温風の電気代は高い
設定温度の変更のみ行い、計測結果はすべて風量5で行っています。
温度設定値(℃) | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
1~24 | 約2.3 | 0.0529 | 0.0529 |
25 | 1206 | 27.738 | 27.6851 |
26 | 1241 | 28.543 | 0.805 |
27 | 1246 | 28.543 | 0 |
28 | 1246 | 28.543 | 0 |
29 | 1247 | 28.681 | 0.138 |
30 | 1246 | 28.543 | -0.138 |
31 | 1249 | 28.727 | 0.184 |
32 | 1252 | 28.796 | 0.069 |
33 | 1253 | 28.819 | 0.023 |
34 | 1251 | 28.773 | -0.046 |
35 | 1252 | 28.796 | 0.023 |
36 | 1250 | 28.75 | -0.046 |
37 | 1250 | 28.75 | 0 |
涼風は最大風量でも0.5円だったのに対し、温風では20円後半です。
室温以下の温度では温風は機能せず、電気代が安い
測定時の室温は24℃です。
室温以下の設定では暖める必要がないので、電気代は安くなります。
涼風の風量1と近い電気代なので、空気清浄のために微風を出している状況だと推測。
室温より設定温度を高くすると電気代が高くなる
室温より高い設定温度に変えると、急に電気代が高くなります。
1時間で28円ですので、涼風の最大風量と比べても約60倍です。
室温以上からは温度をいくら上げても消費電力は大きく変化しません。
室温以上の温度設定だと、何℃に設定しても電気代は28円~29円と高額になる。
24時間使用して680円、30日使用で20,400円です。
温風の状態で風量を変更した場合の電気代の増減
測定時に設定できた最高温度37℃で、風量を変更して消費電力を測定してみました。
風量 | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
5 | 1250 | 28.75 | 0 |
6 | 1275 | 29.325 | 0.575 |
9 | 1374 | 31.602 | 2.277 |
10 | 1396 | 32.108 | 0.506 |
風量を5→6、9→10へと1段階上げた時は0.5円ほど電気代が上がる結果です。
6→9へ3上げた時は2.277円上がっており、1℃あたり0.759円も上がりました。
涼風で最も電気代の変化が大きかった風量9→10で1.2円なので、温風は風量を上げた時の電気代の変化も高い。
首振り機能の電気代
涼風と温風の両方の状態で消費電力を測定して首振り機能の電気代と、涼風と温風で差があるのかを検証してみました。
涼風時の首振り機能の電気代
涼風での首振り機能の測定結果です。
風量を5の状態で測定を行いました。
首振りの角度 | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
オフ | 5.3 | 0.1219 | 0 |
45° | 6.5 | 0.1495 | 0.0276 |
90° | 6.6 | 0.1518 | 0.0023 |
180° | 6.6 | 0.1518 | 0 |
350° | 6.6 | 0.1518 | 0 |
首振り機能をオンにすると僅かに消費電力が上がりました。
首振りの角度を変えても消費電力の変化はありません。
首を振る角度を変えるだけで動く時間や速さが変わらないためだと考えられます。
涼風で首振りをオンにすると0.03円ほど電気代が増える。
首振りの角度を変えても電気代は変わらない。
24時間の使用で0.72円、30日で21.6円です。
温風使用中の首振り機能の電気代
温風機能で温度37℃、風量5の状態での首振り機能についても消費電力の測定を行いました。
首振り角度 | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
0° | 1250 | 28.75 | 0 |
45° | 1250 | 28.75 | 0 |
350° | 1252 | 28.796 | 0.046 |
45°では変化なし、350°で0.05円増加しています。
温風は消費電力が常に上下するので、45°の時に下振れしているタイミングになったのだと思います。
首振りをオフにしていても消費電力が1255Wになったりしました。
実際は、首を振るだけなので涼風時と同じ電気代だと思います。
おそらく首振り機能の電気代は温風でも涼風と同じ
ディフューズドモードの電気代
後ろ方向に送風すると電気代が変化するのか試してみました。
温風ではディフューズドモードを使用することができないので、涼風のみの測定です。
送風5の状態での測定。
状態 | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
通常時 | 5.3 | 0.1219 | 0 |
ディフューズドモード | 5.5 | 0.1265 | 0.0046 |
計測結果は0.0046円となりましたが、おそらく誤差の範囲です。
24時間で0.1104円、30日で3.312円です。
実際には変化なしだと思います。
ディフューズドモードで電気代は変わらない
ナイトモードの電気代
ディスプレイの表示を消せるので電気代が安くなりそうです。
今回も送風を5の状態にしています。
状態 | 消費電力(W) | 1時間当たりの電気代(円) | 電気代の変化 |
---|---|---|---|
通常時 | 5.3 | 0.1219 | 0 |
ナイトモード | 4.0 | 0.092 | -0.0299 |
涼風での計測結果が上の表です。
0.03円ですが電気代が安くなりました。
温風での測定も試みましたが、ナイトモードのオンオフ幅に差がありすぎて信憑性が無かったので控えます。
ナイトモードは誤差のレベルでわずかに電気代が安くなる。
待機電力
コンセントに繋げて電源は入れていない状態です。
ホットアンドクールの待機電力は1.0Wでした。
1時間当たりの電気代は0.023円です。
24時間で0.552円、30日で16.52円ですね。
AUTOモードの電気代
AUTOモードは空気質からホットアンドクールが判断して風力を調整するので電気代がいくらになるかはわかりません。
今回の検証で、空気が汚いときには風力6ほどになり、普段は風力1で運転していることは確認できました。
ホットアンドクールの電気代を節約する方法
ホットアンドクールの電気代を抑えるには必要以上の強さに設定しないことが1番です。
温度を高くしすると、常にフルパワーで運転します。
快適な温度になってもフルパワーで運転するのは勿体ないので避けましょう。
ナイトモードにすることでも電気代は抑えられるかもしれませんが、本当に些細な変化です。
待機電力が掛かるので、空気質の観測が必要ない方はコンセントから抜いておきましょう。
ホットアンドクールの電気代はファンヒーターに注意!
- 扇風機(涼風)での使用は最大で月350円ほど
- ファンヒーター(温風)での使用は最大で月2万円ほど
- 首振り、ディフーズドモードはほぼ影響なし
- ナイトモードはわずかに消費電力が下がる
- 待機電力だけで月16円ほど
電気代が大きく増えてしまうのはファンヒーターです。
使わないのは勿体ないので、使用時間や温度設定などを管理して上手に活用しましょう。
電気代を自分で計測したい方はワットモニターを購入してみてください。
私も使用していて、必要十分な機能で安いのがこれ。
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ホットアンドクールは現在8位です。
ランキングの詳細は以下の記事で。